発行日 :平成12年 1月
発行NO:No3
発行    :溝上法律特許事務所
            弁護士・弁理士 溝上哲也
→事務所報 No3 INDEXへ戻る


   【3】記事のコーナー〜特許法等の一部を改正する法律案について〜
技術開発成果の迅速かつ十分な保護の要請に的確に対処するとともに、工業所有権制度の国際的調和を図るため、以下の内容について法律が改正されます。

(1)出願審査の請求期間の短縮
出願審査の請求をすることができる期間について、特許出願日から「7年」が「3年」に短縮されます。(特許法第48条の3等)
(2)特許出願人の請求による早期出願公開の導入
特許出願から1年6月を経過する前であっても、特許出願人の請求があったときは出願公開されます。(特許法第64条等)
(3)特許権の存続期間の延長登録出願の条件の見直し
特許権の存続期間の延長登録出願の条件について、安全性の確保等のための法律の規定による処分を受けることが必要であるために実施できなかった期間の条件(2年以上)の撤廃等が行われます。(特許法第67条等)
(4)判定等の手続の整備
(a) 特許発明の技術的範囲等に関する判定について、証拠調べ等の手続が整備されます。(特許法第71条等)
(b) 特許発明の技術的範囲等についての鑑定の嘱託があった場合には、3人の審判官によって行われます。(特許法第71条の2等)
(5)特許権等の侵害に係る訴訟における救済措置の整備
(a) 侵害の行為を立証するための書類の提出命令等に関して手続が整備されます。(特許法第105条等)
(b) 当事者は、損害の計算をするための鑑定を行う鑑定人に対して、必要な事項を説明しなければならなくなります。(特許法第105条の2等)
(c) 損害額の立証がその立証をするために必要な事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、相当な損害額を認定できることとなります。(特許法第105条の3等)
(6)特許料等の引下げ
(a) 特許料及び審査請求料等のうち一請求項につき加算される額が引き下げられます。(特許法第107条等)
(b) 特許料及び審査請求料の納付を猶予し、又は減免する特例措置の対象に資力に乏しい法人が加えられます。(特許法第109条等)
(7)詐欺行為罪及び虚偽表示罪の罰則の見直し
特許等に係る詐欺の行為及び虚偽表示についての法人の罰金刑の額の上限が1億円等とされます。(特許法第201条等)
(8)設定登録前の商標に基づく金銭的請求権
設定登録前の商標について、出願人が警告をしたときは、その商標を使用した者に対し、使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭的請求権を行使することができるようになります。(商標法第13条の2等)
(9)標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書の実施
(a) 我が国の商標登録出願等に基づく国際登録出願に係る手続を整備すること。
(b) 国際登録に基づき我が国における保護を求める商標登録出願に係る手続が整備されます。
(c) 特許庁長官を通じて国際登録出願をする場合等の手数料が定められます。
(a.b.c.:商標法第7章の2等)
(10)その他特許法等の改正
(a) 特許等の要件の見直し
特許出願前に外国において公然知られた発明、及び電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明について特許を受けることができなくなり、並びに電気通信回線を通じて発表した発明について出願した場合及び発表した発明と同一でない発明を出願した場合についても例外的に特許を受けることができなくなります。(特許法第29条、第30条等)
(b) 特許出願等の分割又は変更に係る書面又は書類の提出の省略
特許出願等の分割又は変更をする場合には、もとの出願について提出された書面又は書類であって新規性の喪失の例外の適用、国内優先権若しくはパリ優先権の主張に伴い提出しなければならないものの提出を省略することができます。(特許法第44条、第46条等)
(c) 訂正請求の見直し
特許異議の申立て等における明細書又は図面の訂正について、訂正後にも独立して特許を受けることができるかどうかが判断されることなく認められます。(特許法126条等)
(d) 審判書記官の創設
口頭審理による審判に関する調書の作成等を審判書記官が行うこととなります。(特許法第144条の2、第147条等)
(e) 訴訟と審判の関係の整備
裁判所又は特許庁長官は、権利の侵害に関する訴えの提起又は審判の請求の有無を通知するようになります。(特許法第168条等)
(f) 商標登録出願の出願公開の導入
商標登録出願について、出願公開されることとなります。(商標法第12条の2)
(g) 商標登録出願の区分の数を減ずる補正の時期の拡大
登録料の納付の時にも、商標登録出願の区分の数を減ずる補正をすることができるようになります。(商標法第68条の2等)
(h) 電子情報処理組織を使用した処分等の見直し
判定又は判定若しくは異議申立若しくは審判に関する記録並びに国際登録に係る商標原簿の閲覧を電子情報処理組織を使用して行うことができるようになります。(工業所有権に関する手続等の特例に関する法律第4条等)
(i) その他
実用新案法、意匠法、商標法について、特許法の改正に準ずる所要の改正を行う他、関係規定の整備が行われます。(実用新案法、意匠法、商標法等)
(11)施行期日
施行期日は平成12年1月1日です。
ただし、以下の規定に関しては各々の期日から施行又は適用されます。
(a) 「特許料等のうち1請求項につき加算される額の引下げに関する規定」及び「訴訟と審判との関係の整備に関する規定」は公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から試行されます。
(b) 「標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書の実施に関する規定」は議定書が日本国において効力を生ずる日から適用されます。
(c) 「電子情報処理組織を使用して行う国際登録に係る商標原簿の閲覧に関する規定」は平成13年1月1日から試行されます。
(d) 「出願審査の請求期間の短縮等に関する規定」は平成13年10月1日から施行されます。
(H12.1作成: 特許商標部 竹内 幹晴)


→【1】事務所の近況:意匠・商標のパソコン出願への移行他
→【2】論説:知的財産権制度について
→【4】記事のコーナー:パソコン出願について
→事務所報 No3 INDEXへ戻る



溝上法律特許事務所へのお問い合わせはこちらから


HOME | ごあいさつ | 事務所案内 | 取扱業務と報酬 | 法律相談のご案内 | 顧問契約のご案内 | 法律関連情報 | 特許関連情報 | 商標関連情報 |
商標登録・調査サポートサービス | 事務所報 | 人材募集 | リンク集 | 個人情報保護方針 | サイトマップ | English site
1997.8.10 COPYRIGHT Mizogami & Co.

〒550-0004 大阪市西区靱本町1-10-4 本町井出ビル2F
TEL:06-6441-0391 FAX:06-6443-0386
お問い合わせはこちらからどうぞ