発行日 :平成23年 8月
発行NO:No27
発行    :溝上法律特許事務所
            弁護士・弁理士 溝上哲也
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   【5】記事のコーナー:〜平成23年3月11日発生の東北地方太平洋沖地震に対する特別措置について〜

  平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により被害を受けた方々には心よりお見舞い申し上げます。

日本国特許庁及び諸外国及び地域の官庁は、こうした被害に見舞われた方々に対する救済措置を発表しています。

第1報:平成23年3月14日

第2報:平成23年3月18日

第3報:平成23年4月11日

諸外国及び地域の対応:平成23年3月18日

○(特別措置の概要)  
  特許庁に対する手続については手続すべき期間が法律又は政令で定められています。しかし、東北地方太平洋沖地震により所定期間内に手続ができなくなった方は、「所定期間経過後6月以内」(下記ス.については所定期間経過後9月以内)に限り、「手続が可能となってから14日以内」に、平成23年東北地方太平洋沖地震の被害を受けて「手続ができなかった事情を説明する文書を添付」して「当該手続ができなかった手続」をすることで、必要と認められる場合は、有効な手続として取り扱うものとするものです。

○(今回の措置が受けられる対象)
   東北地方太平洋沖地震によって被害を受け、所定の期間内に手続ができなくなった以下のような場合。

・直接的な場合
  「出願人」又は「代理人」が被災したことによって、所定の期間内に手続を行うことができなかった場合

・二次的な場合
  出願人又は代理人が直接ではないが、地震に起因した予期せぬ理由によりその手続に関する業務が不能となったことによって、所定の期間内に手続を行うことができなかった場合

・余震による被害を受けた場合(第3報より)
  余震によって影響を受けた手続についても「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律 (平成8年法律第85号)」第3条第3項の規定に基づく申出を行うことにより、手続期間の延長が認められるとのことです。

  なお、出願手続以外の中間手続についても手続期間の延長が認められるとのことです。
  今回の措置の「適用の可不可」については、事前に「上申書」を提出することで、特許庁から今回の措置が受けられるか否かについて申出者に通知するとのことです。

  なお「手続期間の延長に係るQ&A(4月15日更新)」もご参照下さい。

○(特定非常災害特別措置法の適用対象となる主要な手続)
  ※下記に掲げていない手続については、特許庁の次の窓口にて相談可能だそうです。

    東北地方太平洋沖地震に関する手続相談窓口
    電話:03-3581-1101 内線5000,5100,5200,5300
    受付時間:8時30分〜18時15分(但し、土・日・祝日は除きます。)


ア.明細書等の補正
    〔特許法第17条第1項、第17条の2第1項、第17条の3第1項〕
    〔実用新案法第2条の2第1項〕
    〔意匠法第60条の3〕
    〔商標法第68条の40第1項〕
イ.訂正に係る明細書等の補正
    〔特許法第17条の4〕
ウ.新規性の喪失の例外の適用出願
    〔特許法第30条〕
    〔実用新案法第11条第1項〕
    〔意匠法第4条〕
エ.新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書の提出
    〔特許法第30条第4項〕
    〔実用新案法第11条第1項〕
    〔意匠法第4条第3項〕
オ.外国語書面出願の翻訳文の提出
    〔特許法第36条の2第2項〕
カ.国内優先権主張
    〔特許法第41条第1項〕
    〔実用新案法第8条第1項〕
キ.パリ条約に基づく優先権の証明書の提出
    〔特許法第43条第2項〕
    〔実用新案法第11条第1項〕
    〔意匠法第15条第1項〕
    〔商標法第13条第1項〕
ク.パリ条約の例に基づく優先権の証明書の提出
    〔特許法第43条の2第3項〕
    〔実用新案法第11条第1項〕
    〔意匠法第15条第1項〕
    〔商標法第13条第1項〕
ケ.分割出願
    〔特許法第44条第1項〕
コ.変更出願
    〔特許法46条第1項、第2項、第3項〕
    〔実用新案法第10条第1項〕
    〔意匠法第13条〕
    〔商標法第11条、第12条、第65条〕
サ.実用新案登録に基づく特許出願
    〔特許法46条の2第3項〕
シ.出願審査の請求
    〔特許法第48条の3第1項、第2項〕
ス.特許権の存続期間の延長登録の出願(所定期間経過後9月以内)
    〔特許法第67条の2、同法施行令第4条〕(※存続期間の満了後は不可)
セ.特許法第67条の2の2第1項に規定する書面の提出
    〔特許法第67条の2の2第1項〕
ソ.特許料等の納付
    〔特許法第108条第1項、第2項〕
    〔実用新案法第32条第2項〕
    〔意匠法第43条第1項、第2項〕
    〔商標法第41条第1項、第41条の2第1項、第2項、第65条の8第1項、第2項〕
タ.既納の特許料等の返還請求
    〔特許法第111条第2項〕
    〔実用新案法第34条第2項〕
    〔意匠法第45条〕
    〔商標法第42条第2項、第65条の10第2項〕
チ.特許権等の回復
    〔特許法第112条の2〕
    〔実用新案法第33条の2〕
    〔意匠法第44条の2〕
ツ.拒絶査定不服審判の請求
    〔特許法第121条第1項〕
    〔意匠法第46条第1項〕
    〔商標法第44条第1項〕
テ.訂正審判の請求
    〔特許法第126条第2項〕
ト.明細書等の訂正の請求
    〔特許法第134条の2第1項〕
ナ.訂正の請求の申立
    〔特許法第134条の3第1項〕
ニ.確定審決に対する再審の請求
    〔特許法第173条第1項〕
    〔実用新案法第45条〕
    〔意匠法第58条第1項〕
    〔商標法第61条第1項〕
ヌ.外国語でされた国際出願の翻訳文の提出
    〔特許法第184条の4第1項〕
    〔実用新案法第48条の4第1項〕
ネ.国内書面の提出
    〔特許法第184条の5第1項〕
    〔実用新案法第48条の5第1項〕
ノ.過誤納手数料の返還請求
    〔特許法第195条第12項〕
    〔実用新案法第54条の2第3項、第7項、第11項〕
    〔意匠法第67条第8項〕
    〔商標法第76条第8項〕
ハ.出願審査請求料の返還請求
    〔特許法第195条第10項〕
ヒ.特許料等の納付の猶予期間
    〔特許法施行令第16条、実用新案法施行令第3条4項〕
フ.明細書等の訂正
    〔実用新案法第14条の2第1項、第6項〕
ヘ.審判請求の取下げ
    〔実用新案法第39条の2第3項〕
ホ.補正却下決定不服審判の請求
    〔意匠法第47条第1項〕
    〔商標法第45条第1項〕
マ.補正却下決定後の新出願
    〔意匠法第17条の3〕
    〔商標法第17条の2〕
ミ.商標権の存続期間の更新登録の申請
    〔商標法第20条第2項、第21条第1項〕
ム.登録異議申立理由等の補正
    〔商標法第43条の4第2項ただし書〕
メ.防護標章登録の更新登録出願
    〔商標法第65条の3〕
モ.商標権の書換登録申請
    〔商標法附則第3条第3項〕
ヤ.磁気ディスクへの記録の求め
    〔特例法第7条第1項、同法施行規則第31条〕
ユ.残余の額の返還
    〔特例法第15条第4項〕

○(出願に関して)
  特・実・意・商の各法域の出願に関しては、平時は特許事務所等による電子出願ソフトによるオンライン手続等が可能です。今回のような事態では「緊急避難手続(PCT出願を除く) 」が紹介されています。
  また、例えばパーソナルコンピュータ等が水没して稼働しないとか、通信環境の復旧がままならない状況下で、上記緊急避難手続を行うのも困難な場合は、基本的に「書面」の郵送による出願も特許庁は扱っています(※ただし出願のための特許印紙代の他にデータエントリー料が別途請求される)。

  「書面」による出願は、必要事項を記載した書面(願書には代理人又は出願人の捺印と、特許印紙の貼付が必要)を「書留」で下記に郵送します。

    〒100-8915 東京都千代田区霞ヶ関3-4-3     特許庁 出願課

以上

(H23.7作成 : 特許商標部 竹内 幹晴)


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→【2】論説:〜知的財産刑事事件における「故意」〜
→【3】論説:〜商標権消滅後1年間の他人の商標登録排除規定に廃止について         
→【4】論説:〜システム監査と個人情報保護〜
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